2016年の参院選で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体から支援を受けた元自民党参院議員の宮島義勇氏(71)が、その経緯と実態について朝日新聞の取材に応じた。また、今夏の参院選前の安倍晋三元首相とのやりとりについても証言している。そこから見えてくるのは、選挙を通じた自民党とカルト教団の深いつながりである。
2022年夏の参院選で、旧統一教会が自民党の候補者を支援したことで、何が起きたのだろうか。
宮島氏は安倍首相銃撃事件の後、複数回にわたって取材に応じた。また、宮島氏陣営の複数の幹部も別途、取材に応じた。
宮島氏は2012年から日本臨床衛生検査技師会(日臨技、東京)の会長を務め、16年に参院選で初当選した。今夏の参院選では、教会の支援不足などを理由に立候補を取り下げ、すでに受けていた党の推薦も取り下げた。
宮島氏は2004年の選挙で、日臨技の政治団体などから支援を受けていたが、「正直、選挙に勝つ自信はなかった」。そこで公示日直前に、教会の友好団体である世界平和連合会の支援を受けることにした。宮島陣営は、平和連合の支援について「一部の陣営幹部しか知らない極秘事項」とし、宮島は陣営幹部から「陣営の外ではおおっぴらに話すな」と忠告されたという。
平和連合は朝日新聞の取材に対し、「宮島さんの政策が我々の理念と一致したので、講演会などを通じて選挙を支援した」と説明した。宮島氏は、選挙期間中や選挙後に、平和連合や教会側とさまざまな接点を持つことになる。